ホリスティックケアのひとつ アロマテラピー
アロマテラピーは精油などを用いることで、芳香の癒しと薬理療法で心と体に作用します。例えば、胃痛の時に病院へ行きますと痛みに対して、鎮痛剤がでます。 ホリスティックな考え方では、その人が胃が痛くなる原因は何であったか考えます。例えば、その原因が会社での人間関係のストレスであったとか。 そんな時アロマテラピーでは鎮痛効果とそのストレスに対して緊張を緩めたり、心を穏やかにしてくれる作用を兼ね備えた精油を用いることができます。
もちろん治療行為ではありませんが、普段の生活の中で、香りの癒しはストレスケアに役立ち、自然治癒力を高め、心と体、両方の健康維持、増進の手助けをします。。その結果、薬を飲むことを最小限にしたり、すぐに薬を使わない生活は反対に薬の効き目をよくするということで、西洋医学の治療のサポートすることにも役立ちます。
アロマテラピーと私たちの生活
アロマは「芳香」、テラピーは「療法」のことで、合わせて「アロマテラピー」は「芳香療法」という意味です。アロマテラピーは精油を用いて、心身の健康に役立てたり、良い香りで生活を楽しくしてくれるものです。
私たちは香りを子供のころから、生活の中で知らない間に親しんできました。五月の節句にはいる「菖蒲湯」、冬至の日に入る「ゆず湯」もその香りで心をリフレッシュし、含まれた香りの成分が、その季節に応じて体を整えるよう作用をしていました。また、仏教の伝来とともにやって来たお香。私たちは今もお香の香りの中で、遠い昔のいにしえの都に懐かしさを感じるように、心が落ち着きます、近ごろはハーブティを楽しまれている方も多いですが、香りを楽しみ、おだやかな薬効成分を体に取り入れることも、広い意味でアロマテラピーになります。
このように私たちは生活の中で、植物の恩恵を受けながら、アロマテラピーを経験し受け継いできたわけです。そして今、「精油」という「香りの恵み」を、「私らしくあるために」、「私たちが自然の一部であることを思い出すために」、役立てていくことが、この時代に必要とされている本当の意味での「癒し」につながっていくのではないかと思います。香りのあるNaturalな暮らしを一人でも多くの方が楽しまれることを心から願いつつ、アロマテラピーのお話を始めていきましょう。
どのように香りを感じるのでしょう? - 香りを感じる4つのルート
【嗅覚からの伝達】
あるにおいを物質を嗅ぎ、その揮発成分が鼻から吸入され、鼻の奥の上部にある嗅上皮の粘膜に付着し、そこで嗅細胞が出している毛(嗅毛)にキャッチされると、それが嗅神経の興奮となって、電気的インパルスが大脳辺縁系といわれる脳の領域にはいります。
大脳辺縁系は本能的な活動と関連し、食欲や性欲、快感や怒り、痛みやにおい、記憶などを司るところで、自律神経や内分泌機能などとも関係深く、身体の調整に直接的に関わっています。「香り」を嗅いで、気持ちが落ち着いたり、元気になったり、明るくなったりするのは、このようなことが大脳新皮質の認識を待たずにおこなわれるからだといわれています。
【皮膚から】
植物油で薄められて、皮膚に塗られた精油成分の分子はとても小さいので、皮膚内に浸透しそこで肌に潤いを与えたり、いろいろなトラブルに効果を上げたりして、皮膚にある抹消血管にはいり、血流に乗って全身へと運ばれます。その成分が身体に影響を与えた後、解毒されて、汗や尿、呼気として排泄されます。
【吸引によって】
精油成分を吸い込んだ時、嗅覚で捉えられると同時に、鼻の粘膜や肺の中に入りその末端から、わずかながら血管に入り、その成分が身体に影響を与えます。
【消化器から】
フランスなどでは医師の処方の元に精油の飲用がなされたり、また、日本においても一部の医師の間で精油を薬品のように口から摂取することがおこなわれていますが、(社)日本アロマ環境協会では飲用はおすすめしていません。飲用された精油成分は口、のど、食道、胃、小腸などの消化菅の粘膜からも吸収されます。これは、他の3つの経路に比べて、大量の精油を吸収する可能性があるので、特に注意が必要です。
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